去年の国会では特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(いわゆるカジノ法案)が可決され、日本でもカジノが解禁されることが決定されたようです。

カジノに対する法規制の必要性や解禁の是非については議論がされています。その具体的な内容については今後国会で議論されることになるようですが、今回は現在の法律でのお話を。

 

カジノの独自の工夫をどこまで法律で保護できるか?

コンピューターゲームであれば、ゲームは「映画の著作物」として、著作権法上保護されることになります。

そのため、例えばアーケードゲームで大ヒットしたゲームを、勝手にゲームセンターで使ったりすれば、すぐに差止め請求の対象となるでしょう。

 

では、これが機械を介さない、ポーカーやルーレットのようなアナログなゲームの場合はどうでしょうか。

例えばあるカジノで行われた新ゲームが熱狂的な人気を得て、お客さんが押し寄せたとします。

これを見たライバル業者が、そのゲームのルールをまねしたとします。この場合、まねされた側は、著作権侵害を理由にして、まねしたライアルを訴えることができるのか、ということを考えてみます。

この問題を考えるうえで参考になるのが、ゲートボール規則書事件(東京地判昭和59年2月10日)です。

この事件では、「スポーツやゲームのルールなどもそれ自体著作物ではない。」として、ゲームのルールそのものは、著作権の対象ではないことが明言されています。

 

この考え方を素直に適用すると、不正競争防止法などほかの法律に触れるような場合や、そもそもゲームのルールブック、あるいは独自に開発した道具そのものを無断使用している場合はともかく、単にルールをまねした、というだけでは、著作権侵害を主張するのは難しいということになるでしょう。

 

今まではコンピューターゲームではないアナログゲームそのものでそこまで大きな金額が動くということはなかったこともあり、そこまでこの問題がクローズアップされることはなかったかもしれませんが、カジノがもし巨大市場に成長した場合には、おそらくゲームのルールの模倣による紛争が生じるようになってくるのではないかと思います。

その時に、カジノの運営者としては、何か工夫をして新しいゲームを開発してオリジナリティを出そうとしても、他に模倣されてしまうことを防ぐのが難しい。そうなると、結局他でも行われているゲームと同じものをやるのが一番いい、ということになるかもしれません。

そうなった場合、カジノ業者をどこまで自由競争にするべきか、という問題とももしかしたらかかわってくるかもしれません。

 

今後の法整備がどのようになっていくのかはわかりませんが、私としては、この法整備の方向について、引き続き注目していきたいと思います。